99.9%や99.99%という純度は、分析方法と計算の基準を合わせて理解する必要があります。質量分率なら主成分が全質量に占める割合を示しますが、GCのピーク面積から計算した値では意味が異なります。水分や特定の不純物については、それぞれの分析結果も確認します。
質量分率とクロマトグラフィーの面積百分率は異なる
質量分率は、試料全体の質量に占める主成分の質量の割合を表します。すべての成分の質量に基づいて計算した結果であれば、99.9%と99.99%の残りはそれぞれ0.1%と0.01%で、1000 ppmと100 ppmに相当します。「≥99.9%」と記載されている場合、残りの割合は上限を示し、そのロットで実測された不純物総量ではありません。
ガスクロマトグラフィー(GC)では、その方法で分離・検出できる成分が異なるピークとして示されます。面積百分率は、計算対象となる総ピーク面積に占める主成分ピークの面積の割合です。物質によって検出応答が異なる場合があり、水、無機塩、不揮発性物質が計算に含まれていない可能性もあります。そのため、「100%からGC純度を引いた値」を、そのまますべての不純物の質量含有率とみなすことはできません。
同じ純度でも違いが生じる理由
二つの試料で主成分の質量分率が同じでも、残りを構成する物質は異なる可能性があります。少量の水、アルコール類、金属が特定の配合に与える影響は、同じ質量の別の炭酸エステルの影響と同じとは限りません。純度は「主成分がどのくらいあるか」を示し、不純物分析はさらに「残りは何か」を明らかにします。
このため、電池用溶媒では主成分含有率、水分、酸度、特定の不純物を別々に記載することが一般的です。水分は水の含有量を示し、酸度は対応する方法に基づいて酸性成分を反映します。金属、粒子、不揮発残留物には、それぞれの測定対象に適した分析が必要です。一つの純度試験で、これらすべての情報が自動的に得られるわけではありません。

分析方法によって把握できる内容が変わる
クロマトグラフィーのピークが分離できるか、検出器が対象物質に十分な感度を持つか、定量時に校正を行っているかは、いずれも結果に影響します。同じ名称の試験項目でも、方法が異なれば数値を直接比較できるとは限りません。方法の説明は、その結果がどの物質を対象とし、どの程度の精度を持つかを理解するためにあります。
報告書の「不検出」は通常、その方法の検出能力を下回ることを意味し、物質が全く存在しないことを意味しません。「定量限界未満」は、その方法で信頼できる定量を行えないほど含有量が低いことを示します。小数点以下の桁数を増やしても、測定の正確さが自動的に向上するわけではありません。
分析方法の例:Agilentは、ガスクロマトグラフィーと質量分析検出器(GC/MSD)を用い、外部標準による校正で電解液試料中の炭酸エステル溶媒と添加剤を分析しています。対象成分にはDMC、EMC、DEC、EC、PCが含まれます。これは有機成分分析の例であり、水分や微量金属などには、それぞれの測定対象に適した方法が必要です。
規格、代表値、ロットの分析結果を区別して読む
規格に記載された純度の下限は製品の要求事項であり、技術データシートの代表値は一般的な特性を説明します。一方、分析証明書の結果は、特定のロット番号と分析試料に対応します。表の形式が似ていても、この三つは異なる種類の情報です。
純度資料を読むときは、百分率の計算基準を確認し、個別に記載された不純物項目を見て、規格限度値とロット実測値を区別します。対象の電池系に適するかは、不純物の種類・含有量と使用結果も合わせて判断する必要があります。
分析報告の例:以下の数値はすべて仮定であり、項目の読み方を説明するものです。Lixingの規格や実際のロット報告ではありません。
| 項目 | 単位 | 規格限度値 | 実測値 | 方法 |
|---|---|---|---|---|
| 水分 | mg/kg | ≤20 | 12 | 適用可能なカールフィッシャー法 |
表の20は許容上限、12は試料の測定結果です。mg/kgは試料1キログラム当たりの水のミリグラム数を示し、方法欄は測定の根拠を示します。この行は水分だけを表すため、GC面積純度との差を取って全組成を求めることはできません。
参考資料
Agilent:電池電解液中の炭酸エステル溶媒および添加剤のGC/MSD分析(5991-9356EN)

