UN番号は輸送上の貨物識別、危険物分類は主な輸送危険、容器等級は適用される場合の危険度区分を示します。一方、HSコードは税関の商品分類に使われます。それぞれ異なる問いに答えるもので、相互に代替できません。一種類のコードだけで、すべての輸送・輸入要件を判断することもできません。
各名称・番号が示すもの
| 資料の項目 | 主に答える問い | 代わりにはならない情報 |
|---|---|---|
| UN番号と正式輸送品名 | 輸送規則上、どの物質・貨物区分として識別されるか | 製品の全組成とすべての操作要件 |
| 危険物クラス | 輸送中の主な危険は何か | すべての健康・環境有害性 |
| 容器等級(適用される場合) | 規則上、どの危険度区分に属するか | 具体的な包装指示と容器の適合性 |
| HSコード | 税関でどの商品区分に分類されるか | 危険物分類と輸送の承認 |
UN番号は「UN」と数字で構成され、輸送規則上の物質または貨物区分に対応します。必ずしも一つの純化学物質と一対一で対応するわけではありません。正式輸送品名を番号と併用することで、商品略称より正確に輸送対象を示せます。
危険物クラスは主な危険の種類を示し、例えばクラス3は引火性液体です。容器等級は適用される場合にI、II、IIIで対応する危険度を区分します。包装の大きさを表すものではなく、それだけで使用可能な容器が決まるわけでもありません。
DMCとDECを例に輸送記録を読む
米国49 CFRの危険物表を例にすると、炭酸ジメチル(DMC、Dimethyl carbonate)はUN 1161、クラス3、容器等級II、炭酸ジエチル(DEC、Diethyl carbonate)はUN 2366、クラス3、容器等級IIIに対応します。いずれも同表では引火性液体に分類され、容器等級が異なっても、それぞれの輸送要件を守る必要があります。
例の範囲:米国eCFRの49 CFR 172.101の項目を使用しています。当初の確認日は2026年9月23日で、その時点のページには規則集の更新日が2026年9月21日までと表示されていました。この米国体系では、包装、航空輸送、船舶積載の要件が別々の欄に示されます。中国からの出荷要件、国際海上輸送のIMDG Code、その他地域の規則の代わりにはなりません。本文は、この例から特定ロットの出荷可否を判断するものではありません。

EMC、EC、PCの資料の読み方
炭酸エチルメチル(EMC)の輸送資料は、引火性、引火点、実際の製品組成と合わせて読む必要があり、DMCやDECの番号・容器等級をそのまま流用することはできません。名称が似ていても、分類を共用できるとは限りません。
炭酸エチレン(EC)と炭酸プロピレン(PC)も、該当製品の安全データシート(SDS)第14項を確認し、適用地域、輸送方式、形態、温度に注意します。特にECは固体または加熱した液体で輸送される可能性があるため、資料の状態が実際の貨物に対応している必要があります。
資料に、ある輸送方式では「危険物規制の対象外」と記載されていても、健康、接触、操作上の危険がないことを意味しません。SDSの有害性、保管、保護に関する項目にはそれぞれ役割があります。
まずSDS第1項の製品識別と第3項の組成を照合し、第14項が予定する陸上・海上・航空輸送を対象としているか確認します。情報が不足している場合は、その製品について、予定する方式での分類、形態、輸送条件の資料を入手します。
海上・航空・陸上輸送の要件が完全には一致しない理由
輸送方式は、包装、数量、表示、積載などの要件に影響します。同じUN番号がすべての経路に対する輸送許可になるわけではありません。ある包装が一つの方式に適していても、別の方式に自動的に適合するとは限りません。
製品SDSは重要な情報を提供しますが、実際の輸送では現行規則と貨物の状態も合わせて考える必要があります。包装は輸送要件だけでなく、原料との適合性も満たす必要があります。低水分管理が必要な場合、清浄、乾燥、密封も製品保護の一部です。
UN番号からHSコードに換算できない理由
HSは商品の名称および分類についての統一システムで、国際貿易の商品分類に用いられます。世界税関機構が国際的に調和された六桁のコードを維持し、各地域の関税表はそれを基にさらに細分できます。商品識別と分類規則に基づくもので、輸送危険物のクラスに従って構成されているわけではありません。
純物質、混合調製品、異なる商品形態では、分類判断が異なる可能性があります。実際のコードは輸入地域や現行関税表にも関係するため、五種類の炭酸エステルに「世界共通の固定税番」を一組当てはめることは適切ではありません。危険物番号、HSコード、原産地も相互に導き出せません。
実際の輸送で追加確認する情報
輸送手配では、製品名、組成、貨物の形態と温度を照合し、SDSの適用地域・輸送方式を確認します。現行規則に基づいて分類、包装、数量、表示、積載要件を決めます。関税分類は別途、商品識別と仕向地の現行関税表に従って扱います。
輸送資料は実際の貨物と経路に合っている必要があります。低水分製品では、容器の適合性、清浄、乾燥、密封の要件も受入・移送計画に組み込みます。
参考資料
米国例の欄の説明:49 CFR 172.101表の第8欄は包装規定、第9欄は航空輸送の数量制限、第10欄は船舶積載情報です。利用時は該当欄と規則を合わせて確認します。UN番号は必要情報の一部にすぎません。

